音楽学から世界をウォッチするブログ

楽理科で音楽学を学んでいます。音楽に偏りまくった脳みそ、感性で前のめりに世界の勉強をします!マイブームは建築です!よろしくお願いします!

白い紙

 

あいしています、あいしています、

お赤飯を、炊かなきゃね

 

歌の歌詞というのは、自分の言葉では無いのにどうしてこんなにも気持ちよく自分の喉から溢れでるのか。そんなことを考えながらまりもちゃんは自分の声が自分の耳に届くのを待っていました。首を長くして、待っていました。

 

待っている間もまりもちゃんの火傷は広がっていきます。まりもちゃんは気づかないふりをしているのか、はたまた火傷を望んでいるのか、誰にも分かりませんでした。もしかしたらまりもちゃんは、この火傷が自分の今までを全て焼き尽くして、きらきら光る灰になって、別な世界に行けると思っているのかもしれません。しかし、もう一度言いますが、どんな気持ちだったか誰かが決めつけることは、誰かが白い紙を見せられてこれはなんですか?と聞かれたら「それは白い紙です」と答えるのに、黒い点が一つ描かれた白い紙を見せられたら「黒い点です」と答えるのと同じくらいに、欺きと、錯覚と、盲点とに溢れているのです。

 

ワタ=クシは、洗面所の鏡を拭いていました。美しく映るところと、あえて手垢でべったり汚れたところとを、上手く調整しました。念入りなその姿は、誰にも見せられないくらい見苦しい物でした。